「GoogleがAIに乗り遅れたって聞くけど、もともとDeepMindとか持ってたよね?
…あれ、なんでこんなことになっちゃったんだろう?」
そう思ったことはありませんか?
OpenAIがChatGPTを世界に放ってから、いつの間にか「AI=ChatGPT」というイメージが定着し、Googleは“大企業なのに出遅れた感”を醸し出しています。でも実際には、GoogleこそAI開発の最前線を長らく握ってきた存在でした。
囲碁のトップ棋士を打ち負かしたAlphaGo、将棋やチェスでも凄まじい学習能力を見せたAlphaZero…。まさに「AI=Google」という時代が続いていたはずなのに、どうして今、こんな立ち位置になってしまったのか?
その舞台裏には、大企業ゆえの“人間ドラマ”が隠されています。検索広告という“金のなる木”をめぐる躊躇や社内の葛藤、“本当はAIの覇者だった”意地とプライド…。本記事では、Googleが抱えてしまった「致命的なミス」とは何だったのか、もうちょっと“人間くさい”視点からひも解いてみます!
物語のスタートは2014年。Googleはまだ「検索エンジン最強の会社」でしたが、社内では「ディープラーニング」という新しい技術が脚光を浴び始めていました。
そんな中、創業者のラリー・ペイジや幹部たちは、ロンドンに拠点を置くDeepMindという小さなスタートアップが作るAIの噂をキャッチします。デモを見た瞬間、「これ、下手すると人類の未来を左右する大発明かもしれない…」と騒然。こうしてGoogleは6億ポンド(当時のレートで600〜700億円超と言われる)でDeepMindを買収し、極秘の研究をスタートさせることに。
DeepMindのオフィスでは、夜な夜な電気がつきっぱなし。ジャンルを問わず超人的学習能力を身につけるAIの開発に、エンジニアも研究者も寝食を忘れて没頭していました。
それをサポートするGoogle側の幹部たち。技術者には惜しみなく研究費を出し、「思いっきりやれ!」「メシとサーバーは用意する!」と鼓舞。みんなが「これで世界を変えられるかも」という興奮に包まれたのです。
でも、その一方でGoogleの役員室には、ずっしり重いプレッシャーが存在していました。